米民主の候補争い、大接戦の歴史
【ワシントン=中村亮】米大統領選での民主党の候補者指名をめぐる争いは激戦の歴史だ。2016年には「社会民主主義」を掲げたバーニー・サンダース上院議員が予想外の人気を集め、08年は当時のバラク・オバマとヒラリー・クリントン両上院議員が大接戦となり候補者の確定が最終盤までもつれた。
指名争いのスケジュールは20年の大統領選の場合、同年2月のアイオワ州の党員集会が最初の投票となる。予備選や党員集会が集中する3月の「スーパーチューズデー」で山場を迎え、7月中旬の民主党全国大会で大統領候補を正式指名する段取りだ。過去の指名争いも同じ流れで行われてきた。
16年の指名争いでは大本命とされたクリントン氏が早々に指名を勝ち取るとの下馬評を覆し、サンダース氏が国民皆保険制度や公立大学の授業料無償化といったリベラル政策を掲げて躍進。10ポイント以上の差でクリントン氏の勝利と予想された中西部ミシガン州ではサプライズで勝利を収めた。最終的にクリントン氏は大統領候補に正式指名されたが、指名争いでの苦戦もあり、本選では共和党候補のドナルド・トランプ氏に敗れた。
クリントン氏は08年にもオバマ氏と接戦を繰り広げた。大統領候補はスーパーチューズデー後には固まることが多いが、08年は6月までもつれた。オバマ氏が長引くイラク戦争で広がった閉塞感を打破するため「変革」を主張し、クリントン氏は低所得者対策などを訴えて対抗した。
ジミー・カーターやビル・クリントン両氏は指名争いの序盤で知名度が必ずしも高くなかったが一気に大統領の座にまで上りつめた。20年の指名争いも26、27日のテレビ討論をきっかけに急浮上する候補が現れるかもしれない。
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