首相、参院選で「改憲問う」 国会閉幕で記者会見
安倍晋三首相は26日、国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見した。7月の参院選では憲法改正について「議論すら行わない姿勢で本当にいいのか。国民に問いたい」と述べた。衆参両院の憲法審査会で改憲論議が停滞していることに触れて「憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、議論を進めていく政党や候補者を選ぶのかを決めていただく選挙だ」とも語った。
参院選は7月4日公示、21日投開票の日程で実施する。旧民主党政権を批判したうえで「最大の争点は安定した政治のもとで新しい時代への改革を前に進めるのか、それとも再びあの混迷の時代へと逆戻りするのかだ」と強調した。
10月に消費税増税が控えていることでは「景気の下振れリスクにはちゅうちょすることなく、機動的かつ万全の対策を講じていく」と述べた。景気が弱含めば、追加経済対策を講じて下支えする考えを示したものだ。
国会では老後資金が2000万円必要とした金融庁金融審議会の報告書を巡る対応で野党からの批判が相次いだ。首相は年金制度について「年金を増やす打ち出の小づちはない。年金を充実させる唯一の道は年金の原資を確かなものとすることだ」と指摘した。
年金の給付水準を抑制する「マクロ経済スライド」は「年金の持続性を確保するために必要な仕組みだ」と語った。野党には「具体的な対案もないまま、ただ不安だけをあおるような無責任な議論は決してあってはならない」と批判した。
首相は7月の参院選に合わせた衆参同日選を見送り、参院選単独での実施を決めた。衆参同日選について「一貫して頭の片隅にもないと申しあげ続けてきた」と述べた。