LIXIL、瀬戸氏がCEOに復帰
LIXILグループは25日夜、都内で記者会見を開き、瀬戸欣哉氏の最高経営責任者(CEO)への復帰を発表した。同日の株主総会では株主側が提案した取締役候補8人全員の選任が可決され、全取締役14人の過半数を確保した。会社側が提案した候補のうち2人は否決される異例の事態となった。経営トップの混乱をめぐり約8カ月間続いた問題が収束する。
総会後に開いた取締役会で瀬戸氏の代表執行役社長兼CEO就任を決めた。瀬戸氏はその直後の会見で「戻ってこられたことが素直にうれしい。これからは一つのチームになる」と主張した。会社が提案していた大坪一彦氏が代表執行役副社長、松崎正年氏が取締役会議長を務める。
今後については「固定費の高さが課題」と指摘。生産性改革を優先し、早期の最終黒字転換(2019年3月期は521億円の赤字)を目指す。
総会は株主の票集計のための一時中断もはさみ夕方まで続いた。株主案が全て可決される一方、会社案8人(共通案の鬼丸かおる氏と鈴木輝夫氏を除く)は福原賢一氏と竹内洋氏が否決された。
総会の出席株主数は629人と前年の3倍以上に膨らんだ。出席した株主からは「争いをしていないで安定した経営を進めて利益を出してほしい」「社外取締役だらけの会社提案で本当に機能するのか」などの指摘が相次いでいた。
同社は昨年10月、「プロ経営者」として招かれた瀬戸氏が事実上解任された。母体企業の一つの旧トステム創業家の潮田洋一郎氏が新CEOに就任していたが、交代の経緯が「不可解」として機関投資家の一部が反発。4月に潮田氏は取締役とCEOからの退任を発表した。
5月に会社側は当時の取締役を全て退任させ新候補を提案した。瀬戸氏側も独自候補を提案し、選任されれば瀬戸氏がCEOに復帰する意向を示していた。双方が相手提案の否決を株主に呼びかけ対立が激化していた。
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