GAFA断ち3週間 仕事の生産性は3分の1に
データの世紀 世界が実験室(2)
自分(33)は茨城県のつくば駅前を汗だくで走っていた。取材予定のシンポジウムの会場がどこか分からない。駅の地図では南に約500メートル。もう遠くないはずなのに、それらしき建物が見当たらない。開始時間は刻々と迫る。いつもの「グーグルマップ」が使えないだけで大ピンチだ。
データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。