習主席、国賓で20年春来日 日中両政府調整
中国の新駐日大使として着任した孔鉉佑氏は21日、都内の日本記者クラブで記者会見した。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の国賓来日について日中両政府が2020年春を目指して調整していると表明した。実現すれば、12年ぶりの中国国家主席の国賓来日となる。
孔氏は「日本政府から習主席が適当な時期に国賓として日本を訪問してほしいとの要請が届いた」と明らかにした。そのうえで「真摯に受け止め交渉しているところだ。実現は可能だと思う」と述べた。
習氏の来日の時期に関しては「希望としては季節のいい時に実現したい。桜の満開の時だ」と語り、来春を示唆した。「双方とも汗をかきながら努力している最中だ」と話した。
日本政府は改善傾向にある中国との関係を安定させるため、首脳往来の継続を重視している。過去に沖縄県の尖閣諸島をめぐる対立が激化し、首脳会談を長期間開けなくなったからだ。
18年5月に李克強(リー・クォーチャン)首相が中国首相として7年ぶりに来日して以降、日中の首脳往来は続いている。同年10月には安倍晋三首相が中国を訪れた。習氏は来週、大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて来日する。
G20の後は日中韓首脳会談の開催時期が焦点になる。持ち回りの議長国となる中国が年内にも開く。日程が固まれば、安倍首相は中国を訪れる。外務省関係者は「習氏の再来日は安倍首相の日中韓首脳会談に合わせての訪中の後になるのが自然だ」と指摘する。
国賓は儀典上、最も格式が高く、天皇陛下が会見や晩さん会などで接遇する。江沢民(ジアン・ズォーミン)氏や胡錦濤(フー・ジンタオ)氏ら過去の中国国家主席も国賓として来日した経験がある。