習氏、米朝協議呼びかけ 金正恩氏と会談
【北京=羽田野主】北朝鮮を公式訪問している習近平(シー・ジンピン)国家主席は20日、首都・平壌で金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談した。非核化を巡る米朝協議の停滞に不満を漏らす金正恩委員長に、習主席は「国際社会は米朝が協議を続けて成果を出すことをいつも希望している」と述べ、協議継続を促した。米国を意識し、仲介役としての存在を誇示した。
中国国営中央テレビ(CCTV)などが伝えた。会談で金正恩委員長は「北朝鮮は朝鮮半島の緊張状態を避けるために多くの措置をとってきたが、関係国のよい反応は得られていない」と発言。早期の完全非核化を求めるトランプ米政権に不満を示した。
習主席は「北朝鮮が非核化の努力をしているのを積極的に評価する」と指摘した。「我々は戦略的で長期的な角度から朝鮮半島の情勢を正確に把握し、平和と安定を守らなくてはいけない」と話し、中朝の強い連携を呼びかけた。
中国国家主席の訪朝は2005年10月の胡錦濤(フー・ジンタオ)氏以来14年ぶり。習氏は13年に主席就任後で初めての訪問となる。
6月28~29日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて習氏はトランプ大統領と会談する予定。朝鮮半島を巡る情勢に積極的に関与する姿勢を示し、対米カードにする思惑もある。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。