高級ホテルに20億円 誘致に補助金制度 名古屋市と愛知県
名古屋市は愛知県と共同で高級ホテルを誘致するための補助金制度を新設する。20日の市議会で10億円規模の補助金を出す方針を明らかにした。県の補助金もほぼ同額になるとみられる。国賓級が泊まれる高級ホテルを市内に建設し、国際会議の誘致につなげる考えだ。
河村たかし市長は同日の市議会後、「リニア開業を見据え、東京や大阪と同様、名古屋にも高級ホテルが必要」などと語った。市は今夏までに制度の詳細を固めたい考えだ。愛知県の大村秀章知事は「市と連携協調して進めたい」と話した。
市によると、高級ホテルを誘致する候補地の1つが、中区栄の中心部にある市有地「栄広場」で、隣接するエリアと合わせた開発に向け、この夏にも事業者を大丸松坂屋百貨店と共同で募る方針だ。
名古屋市は2019年度予算で300万円を計上。直近の10年間で開業した全国の高級ホテルの部屋数や面積のほか、経済波及効果などの調査を民間会社に委託した。また、愛知県と共同で、他の自治体などの誘致に関する取り組みなどをヒアリングしている。
横浜市の場合、「横浜駅の周辺」「客室面積が45平方メートル以上」「スイートルームの設置」などの要件を満たす高級ホテルの建設に最大50億円の助成金を出している。市と県はこうした事例を参考に、独自の補助金制度の中身をつくる。
今月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議などの開催場所を巡り、各国要人が安心して宿泊できる高級ホテルが求められる。市と県は、ホテルナゴヤキャッスルや名古屋マリオットアソシアホテルなどに続く、高級ホテルの誘致に力を入れる。