天皇陛下、世界に即位宣言へ 海外賓客は過去最多
政府は20日の皇位継承に関する式典委員会で、10月の天皇陛下の即位式典の概要を決めた。即位を国内外に宣明する「即位礼正殿の儀」には国交がある195カ国の元首や駐日大使らを招く。海外からの賓客は平成の代替わりを上回り過去最多となる見通しだ。
即位の儀式は歴代天皇に伝わる神器を引き継ぐ5月1日の「剣璽等承継の儀」から始まった。10月22日に開く即位礼正殿の儀は新天皇の海外へのお披露目の意味合いが強い。同日夜に開く祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」と翌23日夜の首相夫妻主催晩さん会は各国元首らが一堂に会する。
即位礼正殿の儀は平成の代替わりと同様、国内外2500人程度の参列を見込む。政府は国交のある195カ国と欧州連合(EU)、国連の代表者を招待している。国交のある国は平成時より30カ国増え、外国人の参列は100人以上多い600人を想定する。
平成時はドイツのワイツゼッカー大統領や英国のチャールズ皇太子夫妻らが参列した。米国はクエール副大統領、中国は呉学謙副首相だった。政府は各国首脳級の参列を働きかけている。
天皇、皇后両陛下は5月、令和初の国賓として来日したトランプ米大統領夫妻を歓迎する宮中行事に臨まれた。28日から大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて26日に来日するマクロン仏大統領とも会見される予定だ。
一連の式典は現行憲法下で初めて実施した平成の前例をほぼ踏襲する。横畠裕介内閣法制局長官は20日の式典委で「即位礼正殿の儀は宗教上の儀式としての性格を有しない」と述べ、憲法の政教分離原則に反しないとの見解を示した。