サッカー王国破る「奇跡」 1996年アトランタ五輪
年代別大会を含めてサッカー男子の日本が世界大会で王国ブラジルを破ったのは一度だけ。「マイアミの奇跡」と呼ばれる1996年アトランタ五輪の初戦だ。
相手はFWロナウドやSBロベルトカルロスに加えて、オーバーエージ枠で2年前の米国ワールドカップ(W杯)優勝メンバーのFWベベトらが入ったスター軍団。防戦一方となった日本だが、GK川口能活が驚異的なセーブを連発してゴールを死守し続けた。
そして72分。左サイドの路木竜次が送ったロングボールの処理でDFアウダイールとGKジダが交錯。こぼれたボールをMF伊東輝悦が押し込み決勝点となった。
次戦では金メダルを獲得するナイジェリアに敗戦。2勝1敗で3チームが並び、得失点差で3位となり1次リーグ敗退に終わった。大会後には守備的戦術を「積極性が足りない」と批判されたが、大きな経験を積んだ中田英寿や川口ら6人が後にW杯代表へ飛躍。西野朗監督は22年後のロシアW杯で日本を16強に導くことになる。