サウジ記者殺害、皇太子関与で「信頼できる証拠」 国連報告者
サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏の殺害事件をめぐり、国連のカラマール特別報告者は19日、サウジのムハンマド皇太子の関与を捜査する必要性を示す「信頼できる証拠」があるとの調査結果を公表した。26日に国連人権理事会に報告し、各国で討議する。
サウジ政府に批判的だったカショギ氏は昨年10月、トルコのイスタンブールのサウジ総領事館に入った後、サウジ当局者らに殺害されたとみられている。遺体は見つかっていない。ムハンマド皇太子の関与が疑われているが、サウジ政府は否定している。トランプ米大統領はムハンマド皇太子を擁護する姿勢を示している。
カラマール氏は法律や犯罪の専門家らと今年1月下旬~2月上旬にトルコを訪問した。トルコの検察や政府からの聞き取りなどの調査の結果「サウジ当局者により殺人が計画・実行されたことを証拠が示している」と指摘した。
事件をめぐっては米ニューヨーク・タイムズが2月、米情報当局が傍受した会話の内容を報道。ムハンマド皇太子が2017年、カショギ氏がサウジ政府批判をやめなければ「銃弾」を使ってでも身柄を押さえると発言していたと報じている。