トランプ氏演説の要旨「中国が盗む時代終わった」
トランプ米大統領が18日、南部フロリダ州オーランドで2020年11月の大統領選出馬を表明した。演説の要旨は以下の通り。
冒頭発言
我々は国民のための政府を再構築した。我々の国は今や繁栄し、米国経済は世界の羨望の的だ。おそらく米国の歴史が始まって以来最も好調だ。このチームがとどまる限り、我々の未来はかつてないほど輝いて見える。大きく強いアメリカンドリームが帰ってきた。2016年の大統領選は単なる4年間を決めるものではなく、アメリカの歴史を決める瞬間だった。私の就任で、我々は単に1つの政党からもう1つの政党に権力を移しただけでなく、誇り高い米国民に権力を移したのだ。
出馬宣言
我々は米国を再び偉大にした。これからは、米国が偉大な国であり続けるようにする。米国を偉大なままに(キープ・アメリカ・グレイト)。米国をかつてないほど良くする。それが私が今晩、正式に皆の前で2期目の大統領選に出馬を宣言する理由だ。私は皆を決してがっかりさせない。
貿易政策
重要なことは、私が就任した時に受け継いだ最悪な貿易取引の1つ、環太平洋経済連携協定(TPP)という悲惨な貿易政策を転換させていることだ。TPPは、今はうまくいっている米国の自動車産業に死の打撃を与えたはずだ。現在、ミシガン州やオハイオ州、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、そしてフロリダ州で多くの工場が建設中だ。我々は悲惨な北米自由貿易協定(NAFTA)に取って代わる新たな協定(USMCA)を結んだ。皆に米国を去ってもらいたいのなら、NAFTAは美しい協定だった。我々の関税のおかげで米国の製鉄所は活気を取り戻しつつある。
対中国
私は素晴らしい習近平(シー・ジンピン)国家主席と話をした。我々は中国と公平な良い取引をしたい。貿易交渉を結べればいいが、結べなくてもいい。我々は中国の貿易ビジネスに立ち向かうために歴史的な行動をとった。これは長らくなかったことだ。中国が米国の雇用や企業、発想、富を盗む時代は終わった。
対ロシア
私よりロシアに強硬な大統領はない。オバマ前大統領はロシアの選挙干渉の可能性を米連邦捜査局(FBI)に知らされたが、何もしなかった。ヒラリー・クリントンが勝つと思っていたからだ。私は軍事力を強化し、ロシアに制裁を科し、欧州全土に非常に競争力のある代替エネルギー源を提供した。米国は今、世界一のエネルギー供給国だ。民主党はロシアを気にかけていない。彼らが気にするのは自分たちの政治的な権力だけだ。
経済・財政政策
我々は600万もの新しい雇用を創出した。誰も考えられなかったことだ。我々は600万超もの米国人から「フードスタンプ(低所得者向けの食料費補助対策)」を引き上げ、労働力として戻した。彼らは全員幸せだ。失業率は51年ぶりの低さだ。アフリカ系、スペイン系、アジア系アメリカ人の失業率も低い。
米国は社会主義の国にはならない。共和党員は社会主義を信じていない。我々は自由を信じており、あなた方もそうだ。我々は偉大な引退者に対する医療保険と社会保障を守る。我々は手ごろな価格のヘルスケア(健康保険)を拡大し、オバマケアよりも60%安いプランを作成している。ここに座っている議員らがそれを助けてくれた。我々は誠実さ、透明性、より多くの選択肢、より低いコストに基づいて優れた健康保険システムをつくる。
移民政策
我々は壁を作ろうとしている。400マイル(640キロメートル)に及ぶ壁を、来年の終わりまでにつくる。急ピッチで作られている。私がデザインを変えた。より強く、より大きく、良く、安くした。
移民は何百万もの低賃金の労働者としてやってくることで、大多数の価値ある米国人と賃金や仕事の機会で競合している。私は無数の移民を我々の国から追い出した。民主党が彼らの子どもを過密な学校に入れたら、彼らは1分も耐えられないだろう。彼らの政策は恐ろしい。我々の移民に関する法律は恥ずべきもので、民主党は我々と一緒に行動できる。
民主党・メディア批判
民主党は皆の判事を追い出したいのだ。民主党は法廷に極左のイデオロギーを詰め込み、我々の司法を過激化させたい。中国にとって、オバマ前大統領とバイデン前副大統領は貿易政策でいいカモだった。
今夜は非常に大きな会場だ。だが、空席が3~4つあれば、フェイク・ニュースはすぐに「トランプ氏は会場を満員にできなかった」と見出しを打つだろう。我々は政治史上最大の(ロシア疑惑という)魔女狩りを経験した。唯一の共謀は、民主党とフェイク・ニュース、さらに彼らの工作員、そして偽造書類に資金を提供した人たちによって行われた。
(ニューヨーク=大島有美子、高橋そら)
2020年に実施されたアメリカ大統領選挙のアーカイブぺージです。開票結果や分析など記事をまとめました。