日本電産会長、将来の社名変更を示唆
日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は18日に開いた株主総会で、将来的に社名を同社のブランド名の「Nidec(ニデック)」に変える可能性を示唆した。株主からの質問で社名変更の可能性を問われ「可能性がないわけではない。いずれは変えないといけない時が来ると思う」と答えた。
同社は英文商号として「NIDEC CORPORATION」を使用している。具体的な時期については明言しなかったが、株主総会後の記者会見で「完成品を手がけるようになったら(社名変更を)判断する」と述べた。
記者会見では米国による華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置について、供給している部品に米国の規制に抵触するものはなく「(業績への)影響は今のところ軽微だ」と語った。自社判断での部品の取引中止については「そういうことはしない。世界で信頼されるサプライヤーになる」と述べ、中長期での信頼構築を重視する姿勢を示した。
米中貿易摩擦については「話し合いで解決してもらいたい」とした。中国経済の見通しについては吉本浩之社長が「貿易戦争が全ての原因ではないが、底を打って戻ったという感じはしておらず足元は楽観していない」と指摘。一方で「中国の需要は必ず戻る」とも強調した。
就任から1年が経過する吉本社長への経営権の移譲について、永守会長は「最低3年は経営の基礎を学んでもらいたい。20年度に掲げる連結売上高2兆円の目標などをクリアしてほしい」と語った。「18年は経営への関与を少し減らしたが、経済情勢の変化もあるので19年に入って分担して経営している」とも述べた。
連結売上高目標については「2兆円が4兆円になるのには3年程度かかる」と述べ、早ければ23年度に4兆円に達するとの見方を示した。同社は30年度に売上高を10兆円にする目標を掲げている。