くら寿司、蓄養事業に参入 未成魚を育成して食材に活用
回転ずし大手のくら寿司は18日、魚の蓄養事業を始めると発表した。同社は提携する漁港から獲れた魚を全量買い取る手法で材料を調達している。その中ですしに使用できない大きさの未成魚を専用のいけすで蓄養し、1年程度かけて成魚にして食材として活用する。まずはタイとハマチから始め、2021年に2トンの出荷を目指す。
くらが始める蓄養事業「天然魚 魚育プロジェクト」では、6月から香川県と愛媛県で獲れたタイ、7月から福井県で獲れたハマチの未成魚を、徳島県の専用のいけすで育てる。未成魚は安価で市場で売買するか、すり身などに加工して活用していたが用途は限られていた。
近年は魚の漁獲量が減少し魚の価格が上昇している。未成魚を育ててすしの材料として活用することで、安定した価格でのすしの提供を維持する考えだ。同日、大阪市内で開いた説明会で久宗裕行常務は「さらなる魚の価格上昇が予想されるが、価格を維持することで他社との優位性を出していく」と狙いを語った。