ソニーが総会、吉田社長「ポートフォリオ、常に議論」
ソニーは18日、都内で定時株主総会を開いた。同社は米投資ファンドのサード・ポイントから半導体事業切り離しや金融子会社売却を求められている。吉田憲一郎社長は「特定の株主とのやりとりはコメントを控える」としたうえで「ポートフォリオのあり方など長期的な株主価値向上につながる施策については常に議論している」と話した。取締役選任などの議案はすべて賛成多数で可決された。
ソニーは2019年3月期に連結営業利益が2期連続で最高となったが、株式市場の成長期待が高まらず株価は18年9月に付けた高値から2割低い水準だ。吉田社長は「(音楽事業などで)コンテンツを強化していく」と述べ、成長戦略を加速していく考えを示した。
米国による華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置で、半導体事業は先行きが懸念されている。吉田社長は「米中間の緊張が高まっており、変化にいかに迅速に対応するかが大切。生産の立地も急には変更できないが、いろんなオプションを持つことも重要だ」と語った。
今期はゲーム部門の収益が減るほか、前期にあった株式売却益もなくなる。70歳代の男性株主は「高い利益が出ているので株主還元強化を通じて株価を上昇させてほしい」と話していた。