架空請求25万件、仮想通貨も急増 消費生活相談
2018年に全国の消費生活センターなどに寄せられた相談が前年比1割増の101万7590件に上り、11年ぶりに100万件を超えたことが18日、政府が同日閣議決定した消費者白書でわかった。未納料金などの架空請求の相談が同1.6倍の約25万8千件に増え、全体を押し上げた。
消費者庁によると、架空請求は電子メールを不特定多数に送りつける手口が多かったが、近年は「はがき」を使う手口の相談が急増している。17年に約5万8千件と前年の30倍以上に増え、18年はさらに3倍の約18万8千件に上った。
裁判所などの公的機関を装って政府が使う紋章を模したデザインを印刷したり、表書きに赤いスタンプで「重要」と押した封書を使ったりと手口も多様になっている。同庁担当者は「不審なメールを警戒する人が増えて無視する対策が広がる中、あえてアナログな手法に回帰している可能性がある」と指摘する。
架空請求でお金を払っしまった人は相談件数の1%だが、郵便物が送られてくるため「住所などの個人情報が漏れているのでは」と相談してくる人も多いという。相談者のおよそ9割が50代以上の女性だった。
一方、SNSが介在するトラブルの相談は18年に1万6805件と前年より約2500件増えた。中高年の相談者の割合は増加傾向にあり、50代以上が4分の1を占めた。内容別では、金融取引や金もうけなどのノウハウを商品と称して販売する情報商材など「他のデジタルコンテンツ」に関わる相談があらゆる年代で最も多かった。SNSの貼り付け広告をクリックするなどして、巻き込まれるという。
仮想通貨をめぐる相談も17年比で1.7倍の3657件に上った。18年は1月に交換業者のコインチェック(東京)が不正アクセスを受け約580億円分の仮想通貨が流出する事件が発生。この影響もあり交換業者の信用性やトラブルの有無を尋ねる内容のほか、セキュリティーなどに関する相談が目立った。