韓国大統領「核廃棄の意思示せ」 金正恩氏に対話呼びかけ
【ソウル=恩地洋介】北欧を外遊中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、スウェーデン議会で演説し、北朝鮮に核を完全廃棄する意思を国際社会に示すよう求めた。「制裁を解くには偶発的な衝突と核武装への憂慮を払拭しなければならない」と述べ、多国間協議を含めて対話を再開する姿勢を見せるよう北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長に促した。
文氏は12日に、金正恩氏と6月中に会談したい意向を表明していた。大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の後にトランプ米大統領が訪韓する予定で、米朝の仲介役を果たしたい狙いがある。
文氏は北朝鮮に「国際社会は北朝鮮が誠実に努力すれば制裁解除と安全を保障する」と呼びかけた。議員との質疑応答では「米国と韓国はいつでも対話の用意ができている。時期は金委員長がいつ応じるかにかかっている」と述べた。
金正恩氏は10日にトランプ氏に書簡を送っている。内容は不明だが、トップ交渉への意欲は示している。一方、14日の対韓国宣伝サイト「わが民族同士」は「対話と協力を唱えながら、裏では北南合意に背いて外部勢力との合同軍事演習を続けている」などと韓国批判を展開した。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。