ゲーム株に利益確定売り 大型見本市、存在感示せず
ゲーム株が売り圧力に押されている。11~13日に開催された米国の大型ゲーム見本市「E3」では任天堂の注目タイトル発表があったものの日本勢の存在感はやや低下。成長期待を高めるには至らなかった。
E3開幕前日の10日終値を起点とすると任天堂が5%、スクウェア・エニックス・ホールディングスは7%も安い水準にある。同期間の日経平均株価はほぼ横ばいだった。
任天堂はE3で人気シリーズ「ゼルダの伝説」や「どうぶつの森」の新作について発表する一方、期待されていたゲーム機「ニンテンドースイッチ」の新モデルについては言及がなかった。スクエニHDは人気作のリメーク作品などの発表が中心だった。ソニーは出展を見合わせた。
任天堂は中国市場開拓に向けた騰訊控股(テンセント)との協業で4月に株価が急伸。スクエニHDも位置情報ゲーム「ドラゴンクエストウォーク」の発表を手掛かりに6月初旬に株価が上昇していた。E3の発表内容が想定の範囲内にとどまったことで「いったん利益を確定する狙いの売りが出やすかった」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)。
日本勢の代わりに話題をさらったのは米グーグルや米ネットフリックスなど異業種からの参入だった。競争が激しくなるとの見方もゲーム株を手掛けにくい一因となった可能性がある。
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