「老後2000万円」参院選で説明を 自民から発言相次ぐ
老後の金融資産が約2000万円必要とする金融庁の報告書の問題を巡り、自民党内からは夏の参院選で年金制度の現状や制度改革の必要性を訴えるべきだとの声が上がった。
小泉進次郎厚生労働部会長は13日、党本部で記者団に「年金制度を直視して率直に説明する機運が生まれた」と語った。「年金を変えないといけないということに目が向けられるチャンスが来た」と述べ、参院選で主張する意向を明らかにした。
石破茂元幹事長は派閥総会で「財源論を含めて国民に示して選挙を戦うのが本来あるべき姿だ」と強調した。自民党は報告書の問題に関する想定問答集を作成し各議員に配布する。年金制度に関する疑念を払拭する狙いだ。
野党は報告書を事実上撤回した政府・与党の対応に批判を強める。
立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は同日の党会合で「消された報告書問題だ。公表したものをなきものにしてしまう、安倍政権はここまでやるのか」と訴えた。野党5党派の幹事長・書記局長は国会内で会談し、将来の年金水準を見通す財政検証の早期公表を政府に求める方針で一致した。
衆院財務金融委員会は14日、一般質疑を実施し報告書問題を議論する。麻生太郎金融相が出席する。