ネットフリックス、独自作品をゲームでも 相乗効果狙う
【ロサンゼルス=佐藤浩実、川崎なつ美】米ネットフリックスは12日、独自の動画作品を題材にしたゲーム作りを本格化すると発表した。まずはSFホラー番組「ストレンジャー・シングス 未知の世界」などを対象に、作品のあらすじや登場人物に関連するゲームを制作する。人気作品の世界観をゲームで再現することでファンのすそ野を広げ、動画配信との相乗効果をめざす。
米ロサンゼルスで開催中のゲームの祭典「E3」で開いたイベントで明らかにした。7月にストレンジャー・シングスの第3弾をネットフリックスで公開するのに合わせ、作品の舞台となる街を探検したり、登場人物になりきって敵と戦ったりするゲームを配信する。ゲーム会社の米ボーナスXP(テキサス州)と組んで制作した。
日本でも、スマートフォンやパソコン、ソニーの「プレイステーション4」といったゲーム専用機にダウンロードして遊ぶことができる。価格は公表していない。2020年には同じ作品を題材に、位置情報を利用するスマホ向けのゲームも出す計画だ。
このほか、8月に公開予定のファンタジー作品「ダーククリスタル エイジ・オブ・レジスタンス」を題材にしたゲームも11月に配信する。単独でゲームを作るだけでなく、「フォートナイト」などの人気ゲームに独自作品のキャラクターを登場させる試みも始めるという。
ネットフリックスはストレンジャー・シングスの第2弾を公開した17年に、ボーナスXPと組んでスマホ向けゲームを制作した経緯がある。E3のイベントに登壇したネットフリックスのゲーム担当ディレクター、クリス・リー氏は「ゲームを楽しんでもらうことで、動画作品にも関心を持ってもらいたい」と述べた。同社がE3に参加するのは初めて。
ネットフリックスは約1億5千万人の有料会員を抱える動画配信サービスの世界最大手。ただ今秋には米ウォルト・ディズニーや米アップルも動画配信に乗り出すため、競争は激しくなる見通しだ。ゲームを通じて作品の"露出"を増やすことで動画配信事業の強化につなげる考えだ。
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