ルノー、FCA統合破談など説明へ 12日に株主総会
【パリ=白石透冴】仏ルノーは12日午後(日本時間同日夜)、株主総会を開く。日産自動車との日仏連合の見直しや、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合の破談についての経営陣の説明に注目が集まる。
今回は、前会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン被告が退任してから初の総会となる。総会ではジャンドミニク・スナール会長、ティエリー・ボロレCEOらが発言する見通しだ。ルノーは日産と緊張関係が続き、FCAとの統合交渉は発表からわずか10日で白紙になった。株主が経営陣に厳しい質問を投げかける可能性もある。
ほかに関心を集めているのが「ゴーン前CEOへの2018年の成果連動報酬(22万4千ユーロ、約2700万円)を支払う」という10号議案だ。ルノーはゴーン前CEOを巡る複数の不正疑惑を受け、同議案に反対するよう株主に異例の要請をしている。
28.6%の議決権を持つルノー筆頭株主の仏政府は会社の方針に従うとみられ、支払いが否決される可能性がある。ルノーや仏政府がゴーン前CEOに厳しい姿勢で臨んでいることを示す象徴的な議案となる。
ルノーはCEOの固定分の報酬に当たる100万ユーロに関しては支払う方針だ。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。