妻殺害で懲役15年判決 ほう助の母も実刑、千葉地裁
千葉県柏市で昨年3月、同居の妻を殺害し茨城県取手市の実家敷地に埋めたとして、殺人と死体遺棄罪に問われた元銀行員、弥谷鷹仁被告(37)と、殺人ほう助と死体遺棄罪に問われた母親の恵美被告(64)の裁判員裁判で、千葉地裁は12日、鷹仁被告に懲役15年(求刑懲役17年)、恵美被告に懲役7年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。
岡部豪裁判長は判決理由で、妻の麻衣子さん(当時30)から暴行を受けていた鷹仁被告が、妻を殺害して長女を手元に残そうとした動機を「身勝手だ」と批判。恵美被告について、求刑を上回る量刑とした理由を「親として鷹仁被告を正す立場にあったが、積極的に手助けした」と説明した。
鷹仁被告の弁護側は、麻衣子さんから長女と共に暴力を受け、精神的に追い詰められていたなどと訴えたが、判決は「殺害以外の選択肢があった」と退けた。恵美被告の弁護側は「本当に殺すとの認識はなかった」と、殺人ほう助罪について無罪を主張したが、判決は「計画は具体的で殺害を予見できた」とした。両被告の弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。
判決によると、鷹仁被告は昨年3月4日、自宅で麻衣子さんに睡眠導入剤入りのカレーライスを食べさせ、乗用車内で首を絞めて殺害。恵美被告は遺体を実家に埋めることを提案し、一緒に穴を掘るなどして殺害行為を手助けし、共謀して遺体を埋めた。
〔共同〕