米トウモロコシ、長雨で減産 4年ぶり低水準に
【シカゴ=野毛洋子】米農務省は11日発表した6月の穀物需給で、2019~20年度のトウモロコシの生産量及び期末在庫見通しを前月比で大幅に引き下げた。6月まで長雨が続いた米中西部産地で「過去に例のない作付けの遅れ」(同省)が起きた。このため生産量推定を前月比9%減の3億4749万トンに引き下げた。現実となれば4年ぶりの低水準になる。
減産を受け、期末在庫は同33%減の4256万トンと、6年ぶりの低水準を見込んだ。生産量、期末在庫ともにロイター通信集計のアナリスト予想平均を下回った。作付面積も前月比300万エーカー減の8980万エーカーに引き下げた。長雨で今年の作付けを諦める農家が出ているためだ。
市場には減産規模は今後も膨らむとの見方が出ている。休耕する農家が多く「農務省は今後も作付面積と生産量を一段と引き下げる可能性がある」(穀物ブローカー、アレンデールのリッチ・ネルソン氏)。ただ、南米など世界の供給が潤沢なため、価格の上昇は限られるという。