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シャープ、優先株全て消却へ 主力2行から買い取り

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シャープは11日、主力取引銀行2行が保有する優先株をすべて買い入れて消却すると発表した。経営危機に陥った2015年に債務と振り替えるかたちで発行した合計2千億円の優先株のうち、残っていた約1千億円分を21日に買い取る。台湾の鴻海精密工業の傘下で経営再建を進めてきたシャープは前体制下の「負の遺産」を一掃し、財務を正常化する。

主力取引銀行である、みずほ銀行と三菱UFJ銀行がそれぞれ約500億円ずつを保有する「A種種類株式」を21日に自己資金で取得し、消却する。シャープは1月にも合計約850億円分の優先株を自己資金で買い取った。今回、さらに970億円分を買い戻すことで主力2行が持つ優先株はすべて無くなる。

シャープは主力の液晶パネル事業の不振で13年3月期までの2年間や15年3月期に巨額の最終赤字を計上。財務体質の悪化をうけ、主力2行は15年6月に支援策の一環として、債務を優先株に振り替える「デット・エクイティ・スワップ」という手法を用いてシャープの資本を増強した。

ただ2行が保有する優先株は普通株と比べ高い配当が必要なことに加え、今年7月以降には銀行側が普通株への転換を請求できる権利も発生する予定だった。意図しないタイミングで株数が大きく増える懸念もあり、優先株の処理はシャープが鴻海傘下で再建を進める上でも課題の一つとなっていた。

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