維新、大阪ダブル選に続き勝利 堺市長選で永藤氏当選
政治資金問題で竹山修身前市長が辞職したことに伴う堺市長選は9日投開票され、大阪維新の会新人で元大阪府議の永藤英機氏(42)が、自民党市議らが支援した無所属新人で元市議の野村友昭氏(45)らを破り、初当選した。投票率は40.83%で、前回を3.48ポイント下回った。
4月の大阪府知事・市長のダブル選などに続く「維新対反維新」の構図で、維新が連勝。大阪府、大阪市、堺市の首長の「3トップ」を独占したことになる。
2013年と17年の過去2回の市長選で反維新候補に敗れた維新にとって、夏の参院選への弾みになる。維新が首長ポストを握る大阪府市と堺市の連携も強まるとみられ、維新の看板政策である「大阪都構想」の実現に向けた議論は維新主導で進みそうだ。
選挙戦で永藤氏は竹山氏を辞職に追い込んだ「政治とカネ」の問題に取り組む姿勢を強調。「大阪全体の成長を堺に呼び込む」と大阪府市との協調を訴えた。ダブル選などでの維新の連勝の波にも乗り、終始リードを保った。
当選後、永藤氏は事務所で「堺に未来をつくっていきたい」と市政運営への抱負を語った。その上で、都構想への堺市の参加について「まずは大阪の状況を注視する」と述べ、任期中の都構想議論への参加は「時期尚早」との従来の主張を繰り返した。
都構想の是非を問う住民投票が20年秋にも実施される見通しの中、永藤氏は大阪市の動きを見極めた上で、次回以降の市長選で、都構想に参加することについて有権者に賛否を問う考えとみられる。
一方、野村氏は元自民市議で「政令指定都市である堺を大阪都構想から守る」などと「反維新・反都構想」を強調。都構想に反対する自民市議や旧民主党系、共産党の市議らが自主的に支援し、有権者から一定の支持を獲得したが、及ばなかった。
都構想の住民投票を容認する方針を打ち出した自民大阪府連は野村氏に推薦を出さなかった。都構想推進で維新と合意した公明党は自主投票とした。