NY原油、5カ月ぶり安値 米在庫が大幅増
【ニューヨーク=中山修志】5日の米原油先物市場で、指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が大幅反落した。終値は前日比3.4%安の1バレル51.68ドルと約5カ月ぶりの安値をつけた。同日発表された米原油在庫が市場予想を大幅に上回り、需給が緩むと見た売りが膨らんだ。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した5月最終週の原油在庫は前週比680万バレル増の4億8330万バレルと、2017年7月以来、1年10カ月ぶりの高水準となった。ガソリン在庫も同320万バレル増加した。
原油相場は主要産油国による協調減産や米国によるイラン制裁を受けて1月以降に回復し、WTIは4月下旬に1バレル66ドル台をつけた。だが、その後は米中貿易摩擦の長期化懸念などから下落し、足元は4月の高値より約2割低い水準となっている。米トランプ政権が検討するメキシコ関税の景気への影響も相場の重しになっている。
原油価格が1バレル50ドルを下回れば石油会社の採算が悪化し、生産が伸び悩む可能性がある。