対北朝鮮支援、800万ドル送金へ 韓国政府、国際機関に
【ソウル=恩地洋介】韓国統一省は5日、北朝鮮に対する800万ドル(約9億円)の人道支援を最終決定し、国際機関への送金手続きに入ると発表した。世界食糧計画(WFP)の栄養支援事業に450万ドル、国連児童基金(ユニセフ)の母子保健事業に350万ドルを拠出する。聯合ニュースによると、国際機関を通じた韓国の北朝鮮支援は朴槿恵(パク・クネ)政権が2015年に実施して以来となる。
WFPは、18年の猛暑の影響などで北朝鮮の農産物収穫量が過去10年で最低の水準に陥っていると報告した。北朝鮮メディアは連日のように高温や干ばつを報道している。5日の朝鮮中央通信は南西部などで「田植えの時期にひどい水不足となっている」と伝えた。
韓国政府は今回の支援とは別に食糧支援を検討中で、米国やWFPと協議している。韓国の与党議員は先週、5万トン規模のコメ支援を予定していると述べた。韓国の保守勢力には、韓国を狙う短距離ミサイルを発射した北朝鮮への支援に批判的な見方もある。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。