サッカー代表、「動く攻め」浸透がテーマ
サッカーの日本代表は5日午後7時30分から愛知・豊田スタジアムでトリニダード・トバゴ代表と国際親善試合を行う。秋にも始まるとみられる2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア予選へ向け、フル代表が実戦を積める場は多くない。9日のエルサルバドル戦(宮城スタジアム)を含めた2試合では、戦い方をいま一度根付かせるとともに、ブラッシュアップすることがテーマになる。
「(パスを)出した後、もう1回動いて」「常に動いて、パスコースをつくって」。練習で森保監督の聞き慣れた指示が飛ぶ。縦パス、すなわち攻撃にスイッチを入れるパスやアクションを促されていると初招集の中山(ズウォレ)は語る。「攻撃では循環(選手がローテーションする動き)が大事になるイメージ」
骨格のメンバーは直前の代表戦とほぼ同じ、頭と足を動かしながら連係で打開していくという基本路線も従来通り。中山や久保建(FC東京)など新たに加わったメンバーは、W杯予選前のここで順化させておきたい。
久保建は4日に18歳の誕生日を迎えた。いきなり主軸は尚早としても、チームの肝といえる「2列目の3人」の一角を担うだろう。ピッチ上の隙間を嗅ぎ取り、突くセンスに非凡なものがあるだけに、現代表のやり方とは水が合うはず。ドリブルの切れる中島(アルドハイル)、左足での一発が魅力の堂安(フローニンゲン)らとどんなアンサンブルを奏でるか。
常に学びたい、成長したいとハッスルする長友(ガラタサライ)は「頭を柔軟にしたい」と話す。それは試合のピッチでも求められていること。ボールがたどる道を生み出すために、各選手がアイデアをくみ出し続け、動きとして表現する。その連なりの先にゴールという成果をつかみたい。(岸名章友)