バフェット氏との昼食会 落札者は仮想通貨の創設者
【ニューヨーク=宮本岳則】米著名投資家ウォーレン・バフェット氏と昼食を共にする権利の慈善オークションで、2019年の落札者が仮想通貨「トロン」創設者のジャスティン・サン氏だったことが3日明らかになった。バフェット氏は仮想通貨に懐疑的な見方で知られる。サン氏は「正しい情報と理解に基づけばバフェット氏は仮想通貨とブロックチェーン業界への姿勢を変えるだろう」との声明を出した。
落札額は過去最高の456万7888ドル(約5億円)だったが、落札者は匿名とされていた。
サン氏は3日、ツイッターを通じ同氏が落札者だと名乗り出た。中国・北京大出身のサン氏は28歳で、米インターネット関連企業ビットトレントの最高経営責任者(CEO)を務める。米フォーブス誌の17年版「30歳以下のアジアを代表する企業家30人」に選ばれた。
落札者はニューヨーク市内の老舗ステーキハウスでの昼食会に友人を7人まで招待できる。サン氏は仮想通貨を支える技術「ブロックチェーン」業界のリーダーを招く考えを示した。
バフェット氏との昼食会をめぐる競売は00年から毎年開かれてきた。米オークションサイト「イーベイ」で5月26日に始まった19年の応札は2万5000ドルからスタートし、27日時点で最高応札額が350万ドルを超えていた。終了日前に過去最高の落札額(345万6789ドル)を上回ったため、注目を集めていた。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。