米議会、反トラスト法違反で「GAFA」調査へ
【ワシントン=鳳山太成】米議会の下院司法委員会は3日、反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)違反の可能性を視野に、グーグルやフェイスブックなど「GAFA」と呼ばれる米ネット大手4社の調査を始めると発表した。米メディアによると、米司法当局も調査を始める検討に入った。欧州に続き米国でも巨大IT(情報技術)企業への規制が強まる可能性がある。
司法委によると、与野党が共同で「デジタル市場における競争」について調べる。競争を妨げる行為を手掛けていないか、現行の反トラスト法や競争政策が問題に対処できているかなどを検討する。各社の経営幹部などを公聴会に呼んだり情報を求めたりする。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などによると、反トラスト法を共同で所管する司法省と米連邦取引委員会(FTC)も調査の検討に入った。司法省がグーグルとアップル、FTCがフェイスブックとアマゾン・ドット・コムをそれぞれ調査を主導することで両省庁が合意した。実際に近く調査を正式に始めるかどうかや、調査対象となる具体的な事業は明らかになっていない。
グーグルのネット検索を巡っては、FTCが反トラスト法に抵触するか検討したが、消費者の不利益になるような違反がなかったとして2013年に調査を終えた。フェイスブックについては同法違反とは別にFTCが個人情報の扱いを問題視しており、同社は制裁金が最大50億ドル(約5500億円)に膨らむ可能性があるとの試算を公表している。
巨大化するGAFAに対する視線は世界的に厳しくなっている。欧州連合(EU)は3月、グーグルに対してインターネット広告事業でEU競争法(独禁法)に違反したとして制裁金支払いを命じた。日本も膨大なデータを寡占するGAFAへの規制づくりを本格的に始めた。