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1枚100円の紙皿、人手不足の受け皿に

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街中のレストランや結婚式などでおしゃれな紙皿を見かけることが増えてきた。厚手でデザイン性も高く、安っぽさはない。価格は1枚100円前後と安くないが、人手不足を解消する一手として、外食業界のニーズをつかみ始めている。

片付けのコスト半減

平日の夕方、東京・虎ノ門ヒルズにほど近いオフィスビルの「旬八キッチン&テーブル」。来店者のお目当ては90分1620円のビュッフェだ。代金を支払うと渡されるのが紙皿のセット。ビュッフェといえば、目移りするうちに皿の上の料理は山盛りになりがち。紙皿が耐えられるのか心配になるが、客は目の前に並ぶ、色鮮やかな野菜や肉料理を次々と盛っていく。

使っているのはWASARA(東京・台東)の紙皿だ。店舗を運営するアグリゲート(東京・品川)の旬八販売グループの泉沢陽平氏は「デザイン性が高く、環境に配慮するなどのストーリー性があるものはWASARAしかなかった」と話す。陶器と見間違えるような質感、料理を盛り付けてもへたらない頑丈さが導入の決め手だった。

ただ、レストランで紙皿を使うという抵抗感は残る。最後の一押しとなったのは上昇を続ける人件費だ。リクルートジョブズによると、4月のフード系の「洗い場・パントリー」のアルバイト・パート募集時平均時給(首都圏)は1045円と前年同月比26円(2.5%)高い。

アグリゲートでは、人件費にかかるコストを食材にかけるため、紙皿を使おうという案は企画の当初段階からあったという。ただ、人手不足が深刻化。「ここ4~5年、外食業界はとにかく人がいない」(泉沢氏)という状況をまずは乗り切るためにも紙皿に注目、採用につながった。

同氏がこれまでに手がけてきたレストランでは、食器洗いの担当を1人、洗い場にはりつける必要があった。営業終了後、食洗機を使っても30分、次の日に使えるように拭いて準備するのに30分の計1時間は片付けにかかっていた。それがWASARAの紙皿を使えば「10分で片付けが終了する」。収納スペースの確保や水道代節約にも役立っているという。

100円ショップでは耐水性の紙皿が1パック10枚前後入って売られている。1枚100円の紙皿は本当にコスト削減に寄与するのか試算してみた。ある日のディナータイムの客数を50人と想定すると、WASARAの場合、50セット5000円とごみ処理費用1000円で6000円。洗い場担当を追加する必要はないという。

陶器の食器の場合、ディナータイム中、ホールと洗い場に1人ずつ片付けの担当を配置するため、人件費で約1万円かかる計算。初期投資や破損リスクもかかる。業態によって差はあるものの外食業では、一般的に陶器やガラスの食器は洗い物や破損に備え、通常使われる量の3倍ほどのストックが必要という。

WASARAを作っているのは、1910年創業の伊藤景パック産業(東京・台東)。本業はアイスクリームなどデザートの容器製造だ。伊藤景一郎社長は「食事はおなかだけでなく、心を満たすもの。日本の食文化である箸を持って食器を持つということを意識した」と話す。WASARAの原料はサトウキビの搾りかすと成長が早い竹。接着剤やフィルムを使用していないため「埋めると90日で土にかえる」という。

駅弁「峠の釜めし」で知られる荻野屋(群馬県安中市)もWASARAの紙容器を使っている。「益子焼の器が重い」という年配客の声に応え、13年から特製の紙の釜の弁当を東京駅などで販売している。

他にも在日フランス大使館のパーティーや、羽田空港のラウンジでも使われ、「クルーズ船や航空機内のファーストクラス向けも商談中」(WASARAの鶴川健太郎ゼネラルマネージャー)。18年度の売上高は前年比約2割増という。最近は結婚式やホームパーティー、キャンプ用にも人気が広がっている。「結婚式向けに20万円分購入した人もいる」(鶴川氏)という。ネット通販などでは6枚540円の角皿が売れ筋だ。

大手製紙会社も開発に注力

WASARAだけでなく紙食器の注目度は高まっている。使い捨ては良くないとして敬遠する向きもあった紙食器だが、世界的な「脱プラスチック」の流れで、プラスチックに代わる素材として食の市場でも注目されている。大手製紙会社も開発に力を入れている。北越コーポレーションの子会社は従来の牛乳容器向けの印刷設備を増強し、牛乳以外の食品容器にも対応できるようにした。日本製紙は、今年4月に紙ストローを発売。アスクルなどのネット販売では1本10円程度とプラスチック製に比べ、10倍近い価格で並ぶ。

外食業界での人材難や脱プラの流れを追い風に食品と紙の関係はより深まりそうだ。

(商品部 杉原梓)

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