池田逃げ切り11年連続V、全英切符に「暴れたい」
「見ている人には楽しい、やっている僕は苦しい、そんなラウンド」。晴れ晴れとした表情で池田は優勝インタビューで語った。
3番パー5から3連続バーディーでギャラリーをわかせ、取り巻きが増えたところから2バーディー、4ボギー。前日ダブルボギーをたたいた17番パー3をボギーとすると、同組のキムはバーディーでその差は「1」まで縮まった。最終18番を手に汗握る舞台へと演出を整えて、主役はパーをセーブして逃げ切りだ。
「このコースセッティングなら池田勇太のスタイルを遠慮なく出せる、と感じた」。ツアー史上最長コースの第一印象だ。「その8000ヤードがたった1日だけだったのが残念。予選、最終日の今日だってやりたかったし、男子プロの技術のすごさを見せられたらよかった」。総距離8016ヤードのティー位置で行われた3日目に大会新の66をマークし、鍛え上げた技術に対する自信があふれ出す。
5年連続8度目となる全英オープン出場を決めた。今季はマスターズ、全米プロ、全米オープンと出場を逃し、「正直、今年はメジャーには出られないかなと寂しかった。切符を取った以上は、そこで暴れられるように準備したい」。
2009年日本プロでの初優勝から毎年勝利を重ねて11年連続の通算21勝目。連続勝利ではツアー歴代2番目の青木功、片山晋呉に肩を並べ、上には尊敬する尾崎将司の15年連続があるのみ。33歳。「来年もう一度、8000ヤードで自分のコースレコードを塗り替えたい」。ご機嫌でギャラリーを前に連覇を予告した。(串田孝義)