バフェット氏との昼食会、落札額5億円で過去最高に
【ニューヨーク=宮本岳則】米著名投資家ウォーレン・バフェット氏と昼食を共にする権利をめぐる2019年の慈善オークションが1日までに終了し、落札額は456万7888ドル(約5億円)となった。2012年以来、7年ぶりに過去最高額を更新し、「投資の神様」のカリスマ的人気を改めて知らしめた。オークションで集まったお金は低所得者を支援する団体に寄付される。
バフェット氏との昼食会をめぐる競売は00年から始まり、19年で20回目を迎えた。米オークションサイト「イーベイ」で5月26日から始まった今年の応札は2万5000ドルからスタートし、27日時点で最高応札額が350万ドルを超えていた。終了日前に過去最高の落札額(345万6789ドル)を上回ったため、注目を集めていた。落札者は18年のオークションに続き匿名だった。
バフェット氏率いる米複合企業バークシャー・ハザウェイで上場株運用の一部を任されているテッド・ウェシュラー氏は過去の落札者として知られる。ヘッジファンド創業者としてオークションに参加し、10年と11年に約260万ドルで昼食会の権利を勝ち取った。その縁で12年からバークシャーで働くことになった。バフェット氏の引退後は同僚のトッド・コームズ氏とともにバークシャーの投資運用部門を率いるとみられている。
落札者はニューヨーク市内の老舗ステーキハウス「スミス・アンド・ウォレンスキー」で開かれる昼食会に友人を7人まで招待できる。これまでのオークションで集まったお金は3000万ドルを超え、すべて米カリフォルニア州サンフランシスコの慈善団体「グライド」に寄付されている。同団体は低所得者層向けに無料の食事を提供したり、託児所や放課後プログラムを運営したりしている。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。