米著名投資家、石油会社を提訴 同業買収「高すぎる」
【ニューヨーク=中山修志】米投資家のカール・アイカーン氏は30日、米石油大手のオキシデンタル・ペトロリアムによる米同業アナダルコの買収に反対し、オキシデンタルを米デラウエア州の裁判所に提訴した。総額570億ドル(約6兆2千億円)にのぼる買収額が「高すぎる」として見直しを求めている。
アイカーン氏は自身が率いる投資ファンドを通じて16億ドルのオキシデンタル株を保有している。同氏は訴状で「買収は非常に高価で、根本的に間違っている」と主張。原油価格が下がればオキシデンタルが減配のリスクを抱えると指摘した。
アナダルコを巡っては米メジャーのシェブロンが4月に総額500億ドルでの買収に合意。直後にオキシデンタルが570億ドルでの買収を提案し、アナダルコが同社に乗り換えた。大物投資家ウォーレン・バフェット氏の投資ファンドが買収資金として100億ドルを投資することでも話題になった。
アイカーン氏は物言う株主の代表格として知られる。18年には米事務機器大手ゼロックスの大株主として富士フイルムホールディングスによる買収に反対し、買収合意を破棄させた。