スタートアップ支援協会、エンジェルファンド組成
一般社団法人日本スタートアップ支援協会(大阪府池田市、岡隆宏代表理事)はスタートアップ企業に投資するファンドを組成した。上場企業の経営者20人以上が「エンジェル」としてファンドに参加し、起業家を指導するのが特徴だ。
ファンド名は「日本スタートアップ支援1号投資事業有限責任組合」。ベンチャーキャピタル(VC)のフューチャーベンチャーキャピタル(京都市)との共同運営で、6月から投資活動を始める。すでに上場経営者などから約5億円を集めている。今後は金融機関や事業会社からも出資を募り、最終的に10億円を目指す。
既存のVCファンドとの違いは、起業家が起業家を育てる点だ。東証1部上場のエボラブルアジアの吉村英毅社長、じげんの平尾丈社長など、新規株式公開(IPO)の経験を持つ新興企業の経営者がファンドに出資している。スタートアップはこれら先輩経営者から直接アドバイスを受けることができる。
日本は米国に比べて個人でスタートアップに投資する「エンジェル」の数が少ない。スタートアップは知識不足のまま、投資家と交渉し「資本政策に失敗するケースも多い」(岡代表理事)。さらに経営者からも「エンジェルに興味はあるが、どのように投資したらよいか分からない」といった相談が同協会に寄せられているという。
同協会は会員である100社程度のスタートアップを中心に有望な投資先を選定し、エンジェルとマッチングする。特にVCから投資を受ける機会が少ない地方企業や女性起業家の支援に力を入れていく考えだ。
(鈴木健二朗)
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