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財政赤字の容認「大きな間違い」 トリシェ前ECB総裁

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欧州中央銀行(ECB)のトリシェ前総裁は29日、日銀が都内で開いた会議で講演した。日本の財政赤字について、日銀による国債購入で金利が低く抑えられているため問題ないとの主張に対して「大きな間違いだ」と指摘。その上で「金利が低くても永遠に低いわけではない」と述べた。

インフレにならない限り財政赤字の膨張は問題ないとする「現代貨幣理論(MMT)」を念頭に置いた質問に答えた。

トリシェ氏はECB総裁時代に経験した米リーマン・ショックに言及。「危機がくるまではユーロ市場でリスクプレミアムは見当たらなかった」としたうえで、「(欧州債務危機という)本当のドラマが始まったのは危機から1年半後だった」と振り返った。

MMTは自国通貨建ての政府債務の膨張は問題ないという学説。ユーロ建てで債務を抱えるユーロ圏各国と日米などでは環境は異なるが、トリシェ氏は財政赤字容認論に警鐘を鳴らした格好だ。

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