「大阪都構想」に現実味、今後どうなる 3つのポイント
政令指定都市の大阪市を廃止して、東京23区のような特別区を新設する「大阪都構想」の推進で、大阪維新の会と公明党大阪府本部が25日、合意しました。都構想の是非を問う2回目の住民投票が2020年秋~冬に実施されることが確実となりました。都構想実現までの行方を整理しました。
(1)「ダブル選」圧勝が後押し
大阪維新の会は2019年4月の知事・市長の「ダブル選」で反維新勢力に圧勝。大阪府、大阪市の両議会選でも議席を伸ばしました。都構想に一貫して反対してきた公明がわずか1カ月で賛成に転じた背景には、維新との関係を修復しなければ、次期衆院選で公明現職のいる小選挙区に対抗馬を立てられるとの危機感が背中を押したとみられています。
(2)実現には3つのハードル
都構想の実現には大都市地域特別区設置法に基づき、(1)大阪府と大阪市の法定協議会
(法定協)(2)府議会と市議会(3)大阪市民対象の住民投票――で制度案を可決する必要があります。維新、公明は19年6月から1年かけ、法定協で都構想の設計図をまとめます。現在の維新案は大阪市をそれぞれ人口60万~75万人の4つの特別区に分割します。公明は市民サービスの維持や制度移行にかかる500億円のコスト削減を求めており、どのように案になるかが焦点です。
(3)住民投票は2度目に
制度案が大阪府、大阪市の両議会で可決された場合、60日以内に住民投票を実施しなければなりません。15年5月に初めて実施された住民投票では賛成約69万票、反対約70万票での僅差の否決されました。20年秋~冬の住民投票で、過半数の賛成を得られれば3~4年かけて特別区に移行します。維新側は、25年の国際博覧会(大阪・関西万博)を大阪都で迎える意向を示しています。