北海道でアスパラの被害深刻、強風で出荷3割減も
20日から21日にかけて北海道東部で吹き荒れた強風により、特産のアスパラやビートをはじめ農作物への被害が相次いだ。アスパラガスが大きく曲がって伸びたり、直まきしたビートの種が吹き飛ばされたりしており、JAめまんべつの担当者は「アスパラの出荷量は3割ほど減るかもしれない」と表情を曇らせる。
アスパラ産地の大空町では露地栽培物の収穫ピークが迫っていたが、伸び始めたアスパラが強い風で大きく曲がった。アスパラは最も成長する時期には1日に10センチ以上伸びることで知られ、風が吹いてくる方向に穂先が成長する習性があることが災いした。
強い風を受けて曲がったアスパラは売り物にならず、穂先についた土が落ちないものも出荷できない。被害を受けた生産者はアスパラを根元から切断して処分し、再び伸びてくるのを待つしかないという。出荷のピークは例年、5月下旬から6月上旬で、高速道路で多重事故も引き起こした突風がアスパラ農家のかき入れ時も直撃した。
風は畑の土を巻き上げ、アスパラ以外にも被害を与えた。清里町などではビートの苗が折れ、直まきしたばかりのビートの種も吹き飛んだ。小清水町では芽を出したばかりのゴボウが土をかぶって枯れる被害も出ているという。