五輪を想定、首都直下訓練 自衛隊や大会組織委も参加
防衛省は22日、東京五輪・パラリンピック開催中に首都直下地震が発生したとの想定の訓練を、東京・市谷の同省で公開した。実際には部隊を動かさずに図上で実施する自衛隊統合防災演習で、大会組織委員会も参加。自衛隊が組織委に会場内の被害状況を確認するなど連携強化を図った。
防衛省によると、来夏の大会期間中に、最大震度7の「都心南部直下地震」が起き、大規模な火災や建物の倒壊が相次ぎ、多数の死傷者が出たとの想定。演習は21日に始まり、発生直後の情報収集、効率的な人命救助のための手順を確認した。
地震発生から約24時間後に防衛省で開かれた3回目の災害対策本部会議が公開され、岩屋毅防衛相が防衛省幹部らに「五輪競技会場において負傷者のほか、外国の方も含めた大人数の帰宅困難者が発生している。競技会場における被災者の対応をしっかり行う必要がある」と述べた。
多くの人が集まる競技会場周辺での負傷者の救助や、道路の寸断などによるベイエリアの孤立、熱中症患者の発生なども想定されている。自衛隊を中心に防衛省から約1万2千人、大会組織委や国家安全保障局、警察庁などから計20~30人が参加した。自衛隊統合防災演習は南海トラフ地震などを想定し、毎年実施している。〔共同〕