東京医大、男女合格率ほぼ同じ 2019年度の一般入試
女子や多浪生らを一律に不利に扱う入試不正があった東京医科大で、2019年度の医学部医学科の一般入試の合格率が男子16.9%、女子16.7%とほぼ同じになったことが分かった。東京医大が20日に入試の結果をホームページで公表した。18年度は男子の合格率が女子の3倍になるなど、男子が優位な傾向が続いていた。
東京医大は「不正な得点操作を排除した結果だとみている」としている。
公表結果によると、19年度の一般入試には男子498人、女子288人の計786人が受験。18年度の受験者数(男子1596人、女子1018人の計2614人)の3分の1に減った。
教科ごとの試験である1次試験は男子244人、女子135人が通過。面接や小論文などによる2次試験を通過した最終的な合格者は男子84人、女子48人だった。
大学入試センター試験の結果を使った入試枠の受験者を含めると、女子の合格率は19.8%で、男子の19.3%を上回った。
東京医大では18年8月、女子や多浪生らを不利に扱う得点操作が発覚。一般入試とセンター利用入試の2次試験で、小論文の得点を一律に減点するなどしていた。東京医大は不正を認め、「社会の信頼を大きく裏切った」などと謝罪。不正の根絶を表明していた。
18年度の一般入試の合格率は男子8.8%、女子2.9%。過去10年間の合格率の推移では、10年度に女子が男子を上回ったが、それ以外では男子が優位だった。
多浪生については、18年度の一般入試では4浪以上の受験生が321人で、1人のみ入学。19年度は4浪以上の120人が受験し、8人が入学した。
また東京医大は不正の影響を受けた17、18年度入試の受験生の得点を再判定し、44人を追加合格とした。19年4月の入学を認めたが、実際に入学したのは24人で、20人が辞退していたことも分かった。