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「恋愛映画の要素すべて入れた」三池監督「初恋」上映

カンヌ映画祭リポート(4)

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カンヌ国際映画祭は平日も週末も関係なく期間中は朝8時半から日付を越えるまで作品の上映が続く。17日には三池崇史監督の新作「初恋」が映画祭と並行して開かれている監督週間で公式上映された。

午前の回は開場の約2時間前から並ぶファンの姿もあり、800席の劇場は満席で入れない人もいた。上映中は大きな笑いや歓声が起こり、上映後に舞台あいさつで登壇した三池監督と俳優の小西桜子は大きな拍手で迎えられた。

本作は原作のないオリジナル作品。窪田正孝演じる主人公はプロのボクサーで、幼児期に捨てられた孤独な青年。負けるはずのない試合でKO負けし、精密検査で脳腫瘍があり余命いくばくもないことを告げられる。自暴自棄になっているところに、暴力団の薬物取引に関わっていた女性(小西)の逃走を手助けしたことで、裏社会の抗争に巻き込まれてしまう。

上映後の質疑応答で監督は「タイトルをよくありがちな『初恋』にしたのは、よくありがちな映画を作りたかったから」と会場の笑いを誘った。「出演者はみな主役を演じられる人物。主役は見る人の共感を得るために抑制のきいた演技を求められフラストレーションがたまる。それを爆発してもらった」

小西は本作が映画デビュー作で約3000人のオーディションから選ばれた。「右も左も分からないない中、周りの俳優さんが演技経験のない私を支えてくれた。演技の技術ではなく感情を引き出してもらえたことで、当時の私にしかできない演技ができたと思う」と話し、会場からの拍手に感極まって涙を流す場面もあった。

公式上映に先立つ15日には記者会見も開かれ、ドラマ撮影中の合間を縫い強行スケジュールでカンヌ入りした窪田も出席した。「三池監督の作品に主演するのは10年ぶり。映画の聖地カンヌに連れてきてもらえて感無量。普段湧き上がらない感情があふれ、ぼくも含め出演者がみな暴れられた」と話した。

会見後に三池監督と窪田に話を聞いた。

――「初恋」は日本では作りにくくなっているオリジナル作品だ。

三池 ヤクザを描くアウトローものが少なくなり、オリジナルの入り込む余地があった。ただ、オリジナルへのこだわりやオリジナルでなければいけないという思いはない。過去にカンヌのコンペに選ばれた「藁(わら)の楯(たて)」は小説の映画化だった。オリジナルにこだわりすぎて時間を浪費するのではなく、面白いものを次々に自分に取り入れて作品を作っていく方がぼくのやり方にあっていると思う。この作品はアウトローを描いているが、恋愛映画としての要素もすべて入っている。自画自賛になるがピュアないい映画になった。

――主演には監督含め製作陣の全員一致で窪田に決まった。

窪田 マネジャーから「きたよ。念願のボクサー役で監督は三池さん」と聞いて、それだけでテンションがあがった。台本を読んだとき、生まれてからずっと孤独に生きてきた主人公が、守りたいものができて変わっていく様子がすごく伝わってきて、役としてのやりがいを感じた。ボクサーの役作りのために1カ月以上かけてトレーニングした。ボクシングはスポーツというより、動物同士の本能のぶつかり合い。俳優の仕事に似ている部分があった。

――三池監督との仕事は特別な現場だったのでは。

窪田 俳優という仕事を続けてきた意味を感じられた。俳優は孤独な仕事。役に入り込むために地味な作業を続ける必要がある。でも改めてこの作業が好きなんだと思った。そして10年前がむしゃらに演じていた自分の原点に戻れた気がした。俳優はどんどん消費されていく存在。学び続けなければもぬけの殻になってしまう。ぼくの場合、多くの人と出会い、その出会いから学んだ経験で成長できている。今後も出会いを大切にしたい。

監督週間はフランスの監督協会の主催。映画関係者や記者、一部の招待客しか参加できないカンヌ映画祭と異なり、一般の人も鑑賞できる。独自の世界観を持つ将来性のある監督を見いだす登竜門のような位置付けで、今回のカンヌのコンペに選ばれたジム・ジャームッシュ、日本では大島渚や北野武が見いだされた。近年はベテラン作家が選ばれることもあり、三池監督もその流れ。三池監督が監督週間に選ばれたのは4年ぶり3回目だ。

(近藤佳宜)

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