バフェット氏のバークシャー、アマゾン株投資 9億ドル相当
【ニューヨーク=伴百江】米投資会社バークシャー・ハザウェイは15日、米証券取引委員会(SEC)に申請した書類で、1~3月期に米アマゾン・ドット・コムの株式約48万株に投資したと報告した。15日の終値ベースで保有額は約9億ドル(約985億円)相当になる。同社を率いる著名投資家ウォーレン・バフェット会長は、5月初めに開催した年次株主総会直前にアマゾンに初めて投資したことを明らかにしていた。
SECに四半期ごとに提出する株式保有銘柄の報告書でアマゾン株への投資規模が明らかになった。保有株数は48万3300株。バフェット氏はアマゾン株への投資について、バークシャー社で投資運用部門の2人の責任者のどちらかが購入したと表明していた。
昨年の株主総会で同氏は、アマゾンの成長について創業者のジェフ・ベゾス氏を「ミラクル(奇跡)に近い」と賛辞を送っていたが、アマゾン株への投資のタイミングを逃したと認めていた。今回、高値にも関わらず購入に踏み切っていたことになる。
バークシャー社の保有銘柄ではアップル株が最大の比率となっている。大きく値下がりした株式で将来の上昇を見込んで投資するバリュー投資の神様といわれるバフェット氏が割高感の強いハイテク大手への相次ぐ投資で、投資哲学が変化したのかとの疑問を持つ株主の声も目立っていた。
今年の株主総会ではアマゾン株もバリュー投資の一環であるとし、同氏の投資哲学には変わりがないことを強調していた。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。