出光興産、20年3月期の純利益1600億円 統合効果で実質69%増
出光興産は15日、2020年3月期の連結純利益が1600億円になりそうだと発表した。4月に経営統合した昭和シェル石油との2社合算ベースで前期比69%増となる。統合によるシナジー効果が現れるほか、前期計上した持ち分法投資損失がなくなる。年間配当は前期より60円多い160円とする。
新会社の出光興産は、国内ガソリン販売でシェア3割を握る。最大手のJXTGホールディングスと合わせたシェアは8割となり、1980年代に15社程度あった石油元売りの再編はほぼ完了した。
出光興産の2020年3月期は、原油の共同調達やタンカーの共同配船など統合による効率化で、営業損益ベースで300億円利益が拡大する。前期に出光興産が計上した、ベトナムのニソン製油所関連など約130億円の持ち分法投資損失もなくなる。売上高は6兆7900億円と前期比1%減を見込む。
同社は総還元性向の目安を50%とする。純利益のうち3割の480億円程度を年間配当に充て、今後の業績を見て自社株買いなどに振り向ける計画だ。
出光興産の19年3月期の決算は、純利益が前の期比50%減の814億円、売上高が19%増の4兆4251億円だった。昭和シェルは18年1月~19年3月の15カ月の変則決算で、純利益が391億円、売上高が3兆828億円だった。
これで石油元売り大手3社の決算が出そろい、20年3月期の連結最終利益はJXTGを除く2社が増益となる見通し。