「石油需要、40年に半減」JXTG、長期ビジョンを公表
JXTGホールディングス(HD)は13日、2040年における事業の見通しをまとめた長期ビジョンを発表した。同社の杉森務社長はビジョン作成の前提として、「石油需要が40年には半減する」との見通しを示した。化石燃料への逆風が強まる中、再生可能エネルギーによる発電事業や、石油化学事業を育成して補っていく考えだ。
JXTGHDは17年4月にJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が統合して誕生した。JXTGHDとしての長期ビジョンの公表は初となる。
同社は40年までに、世界の動きが低炭素や資源循環へ向かうと想定した。国内のガソリン販売でシェア5割を握るが、18年度時点で約5千万キロリットルの需要がある市場が半分になれば、事業構造改革が避けては通れない。
将来の成長領域として洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーの大型事業や、石油化学事業を位置付けた。中でも再生エネでは、4月に台湾で洋上風力への参入を発表するなど強化を進める。
13日に発表した2019年3月期連結決算(国際会計基準)は売上高が前の期比8%増の11兆1296億円、純利益が11%減の3223億円だった。20年3月期の連結純利益は前期比1%減の3200億円と見込む。チリで手掛けるカセロネス銅鉱山で収益が改善するが、前期に計上した子会社売却益が無くなることが響く。年間配当は前期に比べ1円多い22円を計画する。