駐日中国大使、都内で離任会合 「対話で理解努めた」
近く帰国する中国の程永華駐日大使の離任レセプションが7日、東京都内のホテルで開かれた。程氏は冒頭あいさつで「これまで各界と交流してきた。意見が一致しなくても対話を通じて理解に努めてきた」と話し、歴代最長となる9年の任期を振り返った。後任には同じ中国外務省の日本専門家「ジャパンスクール」の孔鉉佑外務次官が就任する見通しだ。
レセプションには政界や経済界など日中双方の関係者約1000人が出席した。登壇した安倍晋三首相は「日中関係が厳しい時でも流ちょうな日本語と幅広い人脈を生かして、日中の発展に大きく貢献した」と述べた。
程氏は任期中に47都道府県を訪問し政財界や大学と交流してきたことや東日本大震災の被災地を視察したことなどを振り返り「両国の平和、友好、協力事業は新たな発展を遂げている」と強調した。
程氏は吉林省出身。中国外務省に入った後、アジア局の副局長や東京の中国大使館で公使などを歴任し2010年2月に大使に着任した。
就任の年には沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突する事件が発生。12年には日本政府による尖閣諸島の国有化によって日中関係は冷え込んでいた。程氏は日本国内の要人らとの交流を進め、日中関係を改善に導いた。日中平和友好条約の締結から40年となった18年には李克強(リー・クォーチャン)首相の訪日や、安倍晋三首相の訪中に向けた環境整備にも取り組んだ。