スリランカ、イスラム聖職者200人追放、実行犯拠点も発見
【ニューデリー=黒沼勇史】イスラム過激派の連続爆破テロ事件で250人以上が犠牲になったスリランカで、同国政府が事件後、外国人を600人追放したことがわかった。AFP通信が同国のアベイワルダナ内相の話として5日、報じた。うち200人がイスラム聖職者という。
追放は主に有効期限切れのビザを持つ違法滞在が理由という。追放された外国人の国籍は、警察の話として、バングラデシュ、インド、モルディブ、パキスタンが多かったと報じた。
一方、スリランカ警察は5日、同国東部カッタンクディで、テロ実行犯らが爆発実験や射撃訓練、爆弾製造に用いたとみられる4万平方メートルの拠点を発見した。地元メディアなどが一斉に報じた。同地はテロ首謀者ザフラン・ハシム師の出身地に近く、隣接地はハシム師のいとこの所有という。
4月21日のテロ事件は、最大都市コロンボを含む3都市の計8カ所で起き、主に高級ホテルやキリスト教会に侵入した過激派が自爆テロを起こした。実行犯は9人で、日本人1人を含む外国人40人以上が犠牲になった。
事件を巡っては中東の過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。スリランカ政府はISの支援を受けた国内過激派が犯行に及んだとみて、「ナショナル・タウヒード・ジャマア」(NTJ)と「ジャミヤトゥル・ミラトゥ・イブラヒム」(JMI)の2組織を非合法化した。