「丹波篠山市」誕生 住民投票、出直し選で曲折
兵庫県篠山市は1日、丹波篠山市に市名を変更した。改名が決まるまでは、住民投票や酒井隆明市長の辞職、出直し選といった曲折があった。新天皇即位と改元に日程を合わせて市民の盛り上がりを狙う。
改名は丹波黒大豆などブランド農産物の産地だと分かりやすくするために、地元農家や経済団体が要望したのがきっかけ。「消費者や観光客に、隣接する同県丹波市だけが産地と勘違いされる」との不満があった。
だが、行政主導で議論が進んだことに一部市民が反発。2018年8月に酒井市長が改名の方針を発表してから、賛否を問う住民投票の署名集めを始めた。必要数を上回る約1万人分を集めて投票実施が決まると、今度は酒井市長が「信を問う」として辞職し、出直し選に出馬する奇策に出た。
18年11月18日の投票では賛成が反対を上回った。同日実施の出直し選でも酒井市長が勝利し、正式に丹波篠山市の誕生が決まった。〔共同〕