米中貿易協議、30日に再開 追加関税の扱いが焦点
【北京=原田逸策】米中両政府による閣僚級の貿易協議が30日、北京で再開する。協議は大詰めを迎えており、米中双方がかけた追加関税を合意後にどうするかなどを巡り意見を交わすとみられる。米中は首脳会談での最終合意をめざしており、協議では首脳会談の調整も進めるようだ。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン財務長官らが北京を訪れ、中国側交渉団を率いる劉鶴副首相らとの交渉に臨む。来月8日からは劉氏がワシントンを訪れ、協議を続ける。閣僚級協議は4月初旬に開いて以来。
残された論点の一つは米中が昨年7~9月、お互いにかけた最大25%分の追加関税の扱い。中国は合意後すぐに全て撤廃するよう求めるが、米政府内には一部を残し続ける案があり、溝が埋まっていない。
首脳会談の日程も固まっていない。当初は3月末にも開く案が浮上したが、4月も実現せず、後ズレしている。ライトハイザー氏らが今回の訪中で習近平(シー・ジンピン)国家主席と面会できるかどうかが、調整の進展を占う目安となる。
習氏は25~27日の「一帯一路」首脳会議の開幕式で、経済改革について説明した。市場開放、知的財産保護、輸入拡大、人民元、補助金改革などの米中協議の論点を並べ、最後は「中国の企業、留学生、学者を平等に扱ってほしい」と求めた。米国に構造改革に前向きな姿勢を訴える思惑があったとみられる。
ただ、内容は具体性や新味に乏しく、トップ就任後の実績を振り返っても習氏の構造改革への本気度には疑問符がつきまとう。交渉をまとめるためのポーズにすぎない公算が大きく、米国が納得するかどうかは微妙だ。