中部電、20年3月期経常益64%増 東邦ガスは12%増
中部電力は26日、2020年3月期の連結経常利益が前期比64%増の1850億円になりそうだと発表した。燃料費の上昇が一服し、採算が改善する。首都圏での電力販売の伸びも貢献する。電力・ガスの小売り競争の激化で収益環境は厳しいが、経費削減などで増益につなげる。
また東邦ガスは同日、20年3月期の経常利益が12%増の240億円になりそうだと発表した。エネルギー2社が大幅増益を見込むのは「期ずれ」の影響が大きい。
原油価格に連動する液化天然ガス(LNG)価格は18年上期に右肩上がりで上昇した。LNGの調達価格が上がって収益を圧迫する一方、価格転嫁までは数カ月かかる。
中部電は前期に期ずれによる利益の押し下げ額が約500億円あった。今期は価格転嫁が進み、期ずれは利益にプラスに働くようになる。中部電は350億円程度の押し上げ効果を見込む。
一方、期ずれを除いた実力ベースでは、中部電の今期の経常益は1500億円程度になる見通し。JERAへの火力発電事業の統合の影響を除くと前期とほぼ同水準だ。勝野哲社長は「新規事業の投資負担もあり、楽観はできない」と気を引き締める。
中部電が同日発表した19年3月期の経常利益は前の期比12%減の1129億円、東邦ガスは15%減の214億円だった。