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道頓堀物語(上)芝居街の熱気 取り戻す

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インバウンド(訪日外国人)の観光客であふれる大阪・道頓堀。大阪観光局の外国人動向調査によると、「大阪での訪問先」ランキングで2018年は大阪城、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを抑えて1位に輝いた。人気の理由はお好み焼き、串カツなど多彩な食を楽しめる食いだおれだ。そんな通りの一角に今春、小さなミュージアムが開業した。「道頓堀本来の姿を取り戻したい」と、新しい風を起こしつつある。

道頓堀が誕生したのは元和(げんな)元年(1615年)。大坂夏の陣が終わって徳川家の支配が確立し、武器を収める意から「元和偃武(えんぶ)」といわれた時代だ。堀の開削を始めた安井道頓は夏の陣で戦死したが、従弟(いとこ)の道卜(どうぼく)らが完成。人やモノの交流が盛んになって町人文化が花開き、歌舞伎や人形浄瑠璃文楽の芝居小屋が立ち並んだ。周辺では井原西鶴や近松門左衛門らが活躍し、代表的な5つの芝居小屋は浪花(なにわ)五座といわれた。

回り舞台を体験

「五座の劇場文化を再生したい」と話すのは街づくりに力を入れる不動産会社、山根エンタープライズの山根秀宣社長だ。敷地面積約58平方メートル、4階建てビルに「道頓堀ミュージアム並木座」を3月30日にオープンした。写真、浮世絵、床本などを駆使し、風情のある芝居街だった歴史をわかりやすく伝えている。

ミュージアムの売りは直径1.8メートルの回り舞台。来場者は顔ハメ看板や鬘(かつら)を着け役者になった気分で舞台を体験できる。18世紀半ば、回り舞台を世界で初めて造ったのは江戸中期の歌舞伎狂言作者、並木正三(しょうざ)だ。道頓堀発祥の回り舞台は後に江戸やドイツなどの欧州に伝わるのだが、こうした事実はあまり知られていない。ミュージアムの名称には「並木正三の埋もれた業績を知ってもらいたい」(山根社長)との思いを込めた。今後は夜に展示物を地下などに収納し、小劇場としても使えるようにする。

「関西国際空港頼みの外国人景気は危うい。昨年の台風で関空が水没した時、道頓堀は閑散としていた」というのは街づくりが専門の京都市立芸術大学美術学部の藤本英子教授だ。「伝統に根差した芝居街の楽しい雰囲気を少しでも取り戻してほしい。『食いだおれ』だけではいつか飽きられてしまう」と指摘する。

江戸から昭和に栄えた五座とは明治期の名称でいう浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座の5つだ。明治末から大正期に松竹がすべての経営権を取得。新派、喜劇、映画などの劇場に姿を変えて営業を続けていたが、昭和から平成にかけて五座は次々と閉館した。

五座はなくなったが芝居の灯(ともしび)が消えたわけではない。松竹が大正期に開業した大阪松竹座が最後の砦(とりで)として孤軍奮闘している。

若者・外国人狙う

千田学支配人は「上方文化の薫り、上方らしさをもっと発信したい」と意気込む。歌舞伎公演は年2回が多いが、若手中心の花形歌舞伎を正式に増やし年3回にすることを検討中だ。初代坂田藤十郎が完成した優美で柔らかな上方の演技、和事(わごと)芸が発揮できるように演目にも工夫を凝らす。

道頓堀で生き残るには街を闊歩(かっぽ)する若者や外国人をどう取り込むかも課題だ。高額な観劇料のイメージを払拭するため三等席(6千円前後)や一幕だけの幕見(まくみ)(1千~3千円)を導入。イヤホンガイドの多言語化も視野に入れる。「映像の世代にライブの楽しさ、体感の感動を訴えたい」(千田支配人)。挑戦はいま始まったばかりだ。

(浜部貴司)

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