東芝と東北電、電力の「個人間取引」共同研究へ
東芝エネルギーシステムズと東北電力は26日、太陽光発電設備など分散電源を使った電力直接取引の共同研究を始めると発表した。電力会社を介さず顧客の家などで発電した電力を直接売買する仕組みや取引拡大を見据えた設備や系統運営について検討する。再生可能エネルギーの普及や電気自動車(EV)を蓄電池として活用する機運が高まるなか、新たなビジネスモデルの構築につなげたい考えだ。
電力直接取引は「P2P電力取引」と言われる。これまで電力の購入は電力会社と取引することが前提となっていたが、P2P取引では電力会社を介さずに顧客同士で売買する仕組みだ。太陽光発電設備では日照条件などによっては家庭で余剰に発電する可能性があり、将来は電力を顧客同士で取引することが見込まれる。一方でビジネスモデルやP2P取引に合わせた設備や系統運用方法はまだ確立されていない。
東芝と東北電はP2P電力取引に関するシミュレーションを実施することで、配電系統設備にどのような影響があるかなどを評価する。詳細な電力取引の方法や個人間取引にブロックチェーン技術が活用できるかなども検証する。2020年3月末まで1年間研究する考えだ。
P2P電力取引は中国電力も日本IBMと共同で実証実験を始めた。再エネの普及拡大により電力取引に大きな影響を与える可能性がある。